コメディカル✖︎ベトナム移住✖︎??

中国での国費留学を終え、日本に戻ったセラピストがベトナム移住を目指すブログ

この前の患者さんと病院と...

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たまには今行っている病院の話を。

専門的な話かつ長いので

興味ない人は読まない方がいいです。

週3で行っている病院の外来にある新患さんが来た時の話。

この患者さんに30分ほど泣きつかれていた時の話

 

患者L 女性 年齢70

主訴:両側下肢のむくみ

現病歴:2015年6月に突発性脳梗塞を発症、当時頭部CTにおいて左視床、大脳基底核、側脳室周辺に多く軟化、萎縮。後遺症によって左下肢無力を呈する。食事の際にむせる(嚥下障害)、4ヶ月前の肺炎の際、抗炎症治療により両側下肢のむくみが発生。現在、患者の自覚症状として左下肢無力、左肩関節に痛み、飲食の際に時々むせる(嚥下障害)。発語はしっかりとしている。汗は普通、呼吸はあまり自然ではなく、涼しくなると症状は寛解、胃痛、不眠、納差(中医学における脾胃虚弱)、便は硬く舌苔白、厚。脈弦。

徒手筋力検査3、筋トーヌス(+)、足底部感覚検査(巴氏征) (+-)

既往歴:糖尿病既往10年、毎食事諾和竜(レパグリニド)、食事前にインスリン6-10IU服用、高血圧4−5年最高時血圧180ー150、降圧剤服用後140ー100、2013年に心臓のステント手術・・・・

 

等々、この情報だけだと理解できない事は山ほどあるけど、こんな患者さんがバンバン来るのである。

 

日本だったら投薬とリハでQOLの低下を最小限にするのが一般的

 

 

 

 

中国伝統医学どうのこうの言っているけど

やはり何より最優先されるのは西洋医学的治療。当たり前だけど世界の中心は西洋医学を中心に回っており

さすがに中国何億年の歴史でも、この事実は事実。

しかしここで中国何億年の歴史である中国医学が登場するのである。

というのも今行っている病院はその西洋医学と中国医学をごっちゃ混ぜにして治療を行っている病院なのである。

そしてこの病院の特徴として特に神経系の疾患に対する治療を積極的に行っている。

治療を施す先生によって治療の方法が少しだけ異なり、また得意とする疾患がある。

他の先生はさておき、今筆者が行っている教授の外来に来る患者は特に

パーキンソン病MSA-P・C、そして認知症の患者が殆ど。

これらの患者に対して投薬(西洋薬と漢方薬)はもちろんの事、治療方法の一つとして鍼灸という方法が挙げられる。

そもそも中医学というのは理論を示す言葉であって、その一つに漢方があり鍼灸があり...といった具合。

そして、中西医結合医学というのはあくまでも西洋医学の治療を最優先とし、そこに中医学の理論もぶち込みました。そんなニュアンス。

ただそこに、金銭的な問題やら、の問題やら、国民性やら、何やら関わっているので日本とは形態的に全く異なるモノである

さらにさらに、中国にはリハビリの技術がそこまで発展していない。よって日本ではもしかしたら寛解できる疾患も中国ではできない事もある。

逆に中医学で寛解できるモノもあるのかもしれないが、日本では中医学自体が浸透出来ない部分が多く、この中西医結合医学を展開するのは困難な部分が多い。

日本も昔は中医学の理論を重んじた時代もあったけれど、明治時代の改革のお陰でより近代医学的、物理的に病を捉える、そんな治療方法へと進化を遂げた。

それにより日本人の一般的な解釈は「神秘的」「最終手段」「意味不明」「非科学的」という言葉で片付られる事が多い。(結構中国人でもそう思ってる人いるけど)

 

 

患者さんに対して外来ではいつも教授+研究生という形で治療をする事になっている。(これは教授によって異なる)

患者の数が多いので一人に対する治療時間は多くかけられない。(これは日本の大部分の病院と同じ)

話は先ほどの患者に戻るが、教授はこの患者に対して自身で研究を重ねた治療方法を行う。

治療の基本は同じ、レッドフラッグの鑑別から画像診断、中医学的治療に至るまで全てを自身で行う。(ただしこの病院の外来に来る大多数の患者は以前に総合病院などの診断、治療を受けている)

この患者が特に訴えていたのは鼠蹊部の痛みである(+肩関節周辺の疼痛、左下肢無力、下肢のむくみ)。

ここで中医学的理論をぶち込む事によって全体治療をしようという話。

ってか大元にあるのは糖尿病だしそこ管理しなきゃ何も良くならん。

そして大きな違いとして次の選択にリハビリがあるか無いか、

もちろん、リハの概念は中国にも存在するけど日本ほど発展していない。ってか日本のリハの技術はアジアのトップに君臨している

元々中国には骨傷科(日本で言うところの柔道整復師みたいな感じ?それに中医学の理論をくっつけた感じ) が存在していて、

少しずつリハは認知されているけど、依然として大多数の中国人にはリハの概念が浸透していない。

つい先日、日本の某医科大学を卒業した医師である中国人の教授とお話をする機会があったが、

その先生が仰っていたのは中国にはリハで有名な先生がいない

との事だった。そのために中国の医師が日本に派遣されリハを学ぶという事は少なくない。今の中国の深刻な高齢化に対応するには当たり前の事だと思う。

 

散々こんな事を話をしてみたけど、何でこの患者を紹介したかと言うと

肩いてぇ!肩いてぇ!と言っていたその患者をちょいと肩の運動に鍼やったら次の週まで痛くなくなった!と言う話をしたかった。

(そんな些細な事でもめっちゃ嬉しい!

恐らくこれも糖尿病の一症状なのでその場しのぎとしか言えないけど

整形疾患においてやっぱり目に見えて効果がすぐ出るという部分で現代医学的理論で治療を施すのは適切だと思うし、

そこから更に中医学的思考を組み込むべきだと思ってる。これは国も場所も何も関係無い

もちろんこれはこの患者だから言える事、この年齢と症状を考えた時に何を最優先に考えるかによって治療方法が変わるのは当たり前。

適切なのが中医学なのか、現代医学なのか。どちらとも言えない。

そもそも人が考え出した医学に完璧なんて言葉は存在しなーい

これだけの病を患っている患者には少しの変化でも精神的にグッとくる(俺もかなりグッときた)

それを改めて感じたこの頃でした。。

 

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